子育てと仕事の両立:母だって欲張りに幸せになっていい

母になる前の生活だって大変だった

母というものを、改めて考えてみてください。

その前に、母とか抜きにして、週5で早起きして会社に行って仕事して、帰ってきてご飯作って家事して、お風呂に入って、好きなことして8時間寝る。これって結構大変なことじゃないですか?

仕事だけでも疲れるのに、帰宅後に家事をこなし、自分の時間を確保して、十分な睡眠をとる。独身時代や結婚したばかりの頃でさえ、この生活を維持するのは簡単ではありませんでした。

週末には溜まった洗濯物を片付けたり、掃除をしたり、買い物に行ったり。平日できなかったことを週末にまとめてやって、気づいたらあっという間に月曜日。そんな日々を送っていた人も多いはずです。

母になるということ

それで母になるってことは、小さくて数秒でも目を離したらどうなるかわからない人のお世話が加わるんですよ。

おまけに眠れないし、話は通じないし、トイレにも行けないし、コーヒーは冷めるし、お菓子の音はバレるし、体はあちこち痛いし、眠いし、ずっと呼ばれるし。

授乳やおむつ替えは24時間体制。夜中に何度も起こされて、まとまった睡眠なんて夢のまた夢。やっと寝たと思ったら泣き声で起こされる。そんな日々が何ヶ月も、いや、何年も続くのです。

子どもが少し大きくなっても、今度は「ママ見て!」「ママこれやって!」「ママ遊ぼ!」と、常に呼ばれ続けます。自分のペースで物事を進めることなんて、ほぼ不可能です。

さらには、健康管理もするし、教育もするし、愛情もかけるし、しつけもする。

子どもの体調管理、予防接種のスケジュール管理、栄養バランスを考えた食事作り、発達段階に応じた遊びや学習のサポート、社会性を育むしつけ、情緒の安定のための愛情表現。

やること増えすぎじゃないですか?

子育てと仕事の両立の現実

だけどさ、特に減ることはないんですよ。仕事も家事も、そのまま。むしろ「母親なんだから」という理由で、期待値は上がっていくばかり。

子育てと仕事の両立を目指す多くの母親が直面するのが、この現実です。仕事では「子どもがいても仕事に支障をきたさない」ことを求められ、家庭では「仕事をしていても母親として完璧であること」を期待される。

減らしているのは、わずかにあった自分に使える時間と睡眠時間。

朝は子どもより早く起きて、家事を済ませてから出勤準備。仕事中も保育園からの電話にドキドキしながら業務をこなし、お迎えに間に合うよう急いで退社。帰宅後は怒涛の夕食・お風呂・寝かしつけタイム。子どもが寝たら、やっと残った家事に取りかかる。

そして気づけば深夜。「明日も早いのに」と思いながらも、やっと訪れた静寂な時間が愛おしくて、なかなか眠れない。これは「母親の夜更かし」とも呼ばれる現象です。自分だけの時間が欲しくて、睡眠時間を削ってしまう。

子育てと仕事の両立の中で、真っ先に削られるのは自分のための時間。美容院に行く時間、友達と会う時間、趣味に没頭する時間、ぼーっとする時間。そういった「自分を満たす時間」が、どんどんなくなっていくのです。

見えないプレッシャー

それが当たり前で、それを少しでもさぼったら非難される可能性があるっていう恐怖の中にいるんですよ。

「仕事を休むのは母親失格」「手作りじゃないなんて愛情不足」「部屋が散らかってるなんて」「子どもを預けて自分の時間を作るなんて」。

そんな声が、実際に聞こえてくることもあれば、自分の中で勝手に作り上げてしまうこともあります。社会からの、あるいは自分自身からのプレッシャー。

そりゃ自分の好きなことも、やりたいことも、言いたいことも、蓋しちゃいますよね。

「子どもがいるんだから」「母親なんだから」と、自分の欲求を後回しにすることが美徳のように語られる社会。でも、それって本当に正しいのでしょうか?

単純に考えて無理ゲーじゃないですか?

もう古い価値観は終わりにしよう

もうそんな時代終わったってことでいいですよね?

母親だって一人の人間です。疲れるし、イライラするし、休みたいし、好きなことをしたい。当たり前のことです。

もっと上手くやる方法あるはずですよね?もっと母だって欲張りに、自分の理想とか夢とか、やりたいこと叶えて良くないですか?

子どもを大切に思って優先するってことは、自分を犠牲にするってこととはイコールではありません。

ここが本当に重要なポイントです。多くの母親が、この二つを混同してしまっています。「子どものために」と自分を犠牲にし続けた結果、心身ともに疲弊し、笑顔を失い、結果的に子どもにも良い影響を与えられなくなってしまう。

子どもを大切にしつつ、自分も大切にする方法が、あると思うんですよ。

ジャーナリングで自分と向き合う時間を作る

子育てと仕事の両立で忙殺される日々の中で、自分を見失わないための強力なツールが「ジャーナリング」です。

ジャーナリングとは、自分の思考や感情を書き出す習慣のこと。日記とは少し異なり、出来事を記録するだけでなく、「今、自分は何を感じているのか」「本当はどうしたいのか」といった内面の声に耳を傾けます。

子育てと仕事の両立に追われていると、「自分が本当はどう感じているのか」すらわからなくなってしまうことがあります。イライラしているのか、悲しいのか、寂しいのか、疲れているのか。感情がごちゃ混ぜになって、自分でも整理できない状態です。

そんなとき、5分でもいいから、ジャーナリングの時間を取ってみてください。

「今日は子どもに怒鳴ってしまった。後悔している。でもなぜあんなに怒ってしまったんだろう?」と書き始めると、「実は仕事で嫌なことがあって、そのストレスを子どもにぶつけてしまった」という本当の原因が見えてくることがあります。

あるいは、「子育てと仕事の両立がしんどい」と漠然と感じていたことが、「実は夫の協力が足りないことに不満を感じている」という具体的な問題として浮かび上がってくるかもしれません。

ジャーナリングを続けることで、自分が本当に大切にしたいこと、自分を幸せにすることが何なのかが、少しずつ見えてきます。それは子育てと仕事の両立を持続可能にするための、重要な気づきとなるのです。

寝かしつけの後、家事を全部終わらせる前に、まずは自分のためにジャーナリングの時間を確保する。それは決してサボりでも、母親失格でもありません。自分を整えるための、必要なケアなのです。

どんな働き方でも、自分らしく幸せに

フルタイムで働いていようが、パートだろうが、専業主婦だろうが、フリーランスだろうが、自分が「こうしたい」って思う方法で、欲張りに幸せに生きてもいいですよね?

子育てと仕事の両立の形は、一つではありません。

フルタイムで働きながら保育園に預け、キャリアを大切にする母親もいます。パートタイムで働きながら、子どもとの時間も大切にする母親もいます。専業主婦として、家庭に専念する母親もいます。フリーランスとして、自宅で柔軟に働く母親もいます。

どれが正解で、どれが間違っているということはありません。大切なのは、「自分がどうしたいか」です。

周りの目や、世間の常識や、誰かの価値観ではなく、自分自身の「こうありたい」という思いを大切にしていいのです。

ジャーナリングを通して、「自分は本当はどうしたいのか」を明確にすることができます。「世間的にはフルタイムで働くべきだと思われているけど、実は子どもが小さいうちはもう少し時間を減らしたい」と思っているかもしれない。あるいは「専業主婦を期待されているけど、実は仕事をしたい」と思っているかもしれない。

自分の本当の気持ちに気づくことが、子育てと仕事の両立を自分らしく実現するための第一歩です。

自分の幸せは誰かの不幸ではない

自分が幸せになる = 誰かに負担がかかる、誰かが不幸になる、ってわけじゃないんです。

多くの母親が、この思い込みに縛られています。「自分が楽をしたら、誰かにしわ寄せがいく」「自分が好きなことをしたら、子どもや夫に我慢させることになる」。

でも、本当にそうでしょうか?

自分が満たされていない母親と、自分を大切にして心が満たされている母親。どちらが子どもに良い影響を与えられるでしょうか?

答えは明白です。笑顔でいられる母親、心に余裕のある母親、自分の人生を楽しんでいる母親。そんな母親のもとで育つ子どもは、「人生は楽しいものだ」「自分を大切にしていいんだ」ということを自然に学びます。

逆に、常に我慢してイライラしている母親のもとで育つと、子どもは「母親は大変で辛そうだ」「自分のせいで母親が苦しんでいる」と感じてしまうかもしれません。

そうならない方法は、ある

そうならない方法が、ある。はずでしょ?

あります。断言します。

まず、完璧を目指さないこと。子育ても仕事も家事も、すべてを完璧にこなそうとしないこと。優先順位をつけて、重要なことに集中し、そうでないことは手を抜く勇気を持つこと。

次に、助けを求めること。パートナーに、親に、友人に、行政のサービスに。一人で抱え込まず、頼れるものは頼る。それは弱さではなく、賢さです。

そして、自分の時間を確保すること。たとえ30分でも、1時間でも、自分だけの時間を持つ。そこでジャーナリングをしたり、好きな本を読んだり、ぼーっとしたり。自分を満たす時間を意識的に作ること。

子育てと仕事の両立において、自分を犠牲にしないための工夫は無数にあります。家事代行サービスを使う、惣菜を買う、掃除の頻度を減らす、洗濯物は畳まない、食洗機や乾燥機に頼る。

「手抜き」と呼ばれるかもしれないそれらの選択は、実は「賢い選択」なのです。限られた時間とエネルギーを、本当に大切なことに使うための選択。

本当に大切なのは、ピカピカの部屋でも手の込んだ料理でもなく、家族の笑顔と心の健康です。そのためには、まず母親自身が笑顔でいられることが不可欠なのです。

ジャーナリングで見つける自分らしい両立の形

ジャーナリングを続けていると、自分にとっての「ちょうどいいバランス」が見えてきます。

「仕事は週3日がちょうどいい」「夕食は週に2回は惣菜に頼ってもいい」「月に1回は子どもを預けて一人の時間を持ちたい」。そんな、自分なりの基準が明確になっていくのです。

そしてその基準は、他の誰のものでもない、あなた自身のもの。誰と比べる必要もないし、誰に認めてもらう必要もありません。

子育てと仕事の両立という難しい課題に向き合うとき、ジャーナリングは心強い味方になってくれます。悩んだとき、迷ったとき、疲れたとき、ペンを取って自分と対話してみてください。

きっとそこに、あなただけの答えが見つかるはずです。

欲張りに幸せになろう

母だって、欲張りに幸せになっていい。自分の理想を追いかけていい。夢を持っていい。やりたいことをやっていい。

それは決してわがままでも、自分勝手でもありません。それは、自分を大切にするということ。そして、自分を大切にできる人だけが、本当の意味で他人を大切にできるのです。

子育てと仕事の両立は、確かに大変です。でも、不可能ではありません。自分を犠牲にしなくても、方法はあります。

ジャーナリングで自分と向き合い、本当に大切なものを見極め、優先順位をつけ、助けを求め、工夫をする。そうやって、少しずつ、自分らしい両立の形を作っていくのです。

完璧な母親なんて、この世にいません。みんな試行錯誤しながら、迷いながら、時には失敗しながら、それでも前に進んでいます。

だから、もっと自分に優しくしてください。もっと自分を認めてあげてください。そして、欲張りに、自分の幸せも追いかけてください。

あなたが笑顔でいられることが、家族にとって何よりの幸せなのですから。

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